アナフィラキシーとは、アレルゲンが体内に侵入してから極めて短時間で、
重篤で全身性のアレルギー反応が発現することです。
そして、アナフィラキシーによって、生死にかかわる危険な状態
に陥ることをアナフィラキシーショックといいます。
日本ではスズメバチに刺されて亡くなる人が多いですが、
これは蜂毒によるアナフィラキシーショックが原因です。
IgE(免疫グロブリンE)抗体はアレルギー反応を起こす原因物質ですが、
蜂毒はこのIgE抗体を作りやすく、何度も刺されてこの抗体が限界値を超えてしまうと、
毛細血管が拡張し、血圧低下により死んでしまうのです。
アナフィラキシーを引き起こすアレルゲンは蜂毒に限らず、
ペニシリンやヨードなどの薬品のほか、食品にもたくさんみられます。
年齢が低いほど、食物アレルゲンに反応しやすいので、
食物アレルギーがみられる子供には特に注意が必要です。
アナフィラキシーには軽症、中等症、重症と3段階に分類できますが、
短時間で進行する場合もあるので、経過観察がとても大切になります。
アナフィラキシーの症状
症状は多様ですが、アナフィラキシーは即時型で全身性のアレルギー反応なので、
同時に複数の症状が次々と発現した場合は、アナフィラキシーが疑われます。
皮膚症状
- 蕁麻疹
- 皮膚の赤み・かゆみ
粘膜症状
- 口唇、口内の浮腫
- のどが腫れる
呼吸器症状
- 呼吸困難
- 息苦しい
- 咳が出る
消化器症状
- 下痢
- 腹痛
- 嘔吐
その他
- 意識を失う
- 失神する
皮膚と粘膜、皮膚と呼吸器など別の部位に同時に症状が出ることが多いので、
食物アレルギーのある子供や免疫力が低下しているお年寄りには注意が必要です。
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