免疫とは本来「病から免れる」という意味で、
天然痘ウイルスのワクチン発見が免疫学のスタートとなりました。
これ以降、様々な研究を経て免疫の働きが徐々に解明されていき、
人間の体に欠かせない体内システムのひとつだと分かったんです。
免疫とは簡単に言うと、自己と非自己を見分け、
非自己だけを排除する仕組みです。
例えば、体内に侵入した病原菌やウイルスを攻撃して分解したり、
がん細胞などの異常な細胞を取り除いたりする役割をしています。
こうして非自己を排除することで、体の内部環境を一定の状態に保ちます。
つまり、免疫の働きは体のホメオスタシス(恒常性)を維持することなんです。
免疫力の低下、バランスの乱れが病気を招く
免疫は非常に優れた生体防御システムだと言えますが、
その一方でアレルギーや関節リウマチなどの自己免疫疾患の原因にもなり、
自己にとって不利な働きをしてしまうこともあります。
アレルギーは特定のアレルゲンに対して、免疫反応が過剰に起こることで発症し、
自己免疫疾患は、免疫システムが自己と非自己を誤って判別することで起こります。
厚生労働省の調査では、いずれの患者数も年々増加傾向です。
また、これらの治療は対症療法がほとんどで、根治はほぼありませんから、
根本から体を改善しない限り、死ぬまで付き合っていかなくてはなりません。
アレルギー性疾患には症状を抑える薬、関節リウマチなどの
自己免疫疾患には免疫の働きを抑える薬がよく処方されますが、
これらを飲み続けても病気が治ることはないということです。
免疫バランスの乱れが病気を招くということは、逆に言えばバランスを整え、
免疫力を上げれば病気に負けない体になれるということなんです。
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