毎年、集団感染が発生するノロウイルス。
大抵は食中毒を起こし、嘔吐・下痢・発熱などの症状が現れます。
食中毒の中では、このノロウイルスによるものが一番多く、
高温よりも低温の環境下を好むウイルスのため、冬に流行する傾向があります。
主な感染経路は、感染者の嘔吐物や糞便に接触した人がそれに気づかず、ウイルスの付着した手で食材を調理して感染が広がる接触感染が最も多いといわれています。
そのほか、トイレから流された感染者の糞便が下水道を通って河川や海へ流れ込み、
ウイルス感染した原材料を食べることによって感染することもあります。
本来は死に至るほどのウイルスではないのですが、体力の衰えた高齢者などが感染した場合、嘔吐物を気道に詰まらせて窒息死したり、肺炎から死亡することもあるので、感染が疑われたら、なるべく早く対応することが求められる感染症です。
たびたび変異するノロウイルス
ノロウイルスによる感染症に罹った人は免疫を獲得するので、
次回からは抗体が働いて体を守ってくれます。
しかし、ノロウイルスもインフルエンザウイルスと同じようによく変異します。
変異したウイルスに対しては、発生初期ではまだ誰も免疫抗体を持っておらす、
また、非常に感染力が強いこともあり、大流行してしまう可能性もあるのです。
なぜウイルスは変異するのか?
ウイルスも細胞と同じように増殖しますが、
遺伝子コピーの過程でDNAのコピーミスが起こることがあります。
私たちの体ではコピーミスが起こっても、DNA修復酵素が変異を修正してくれますが、
ウイルスは修復酵素を持たないので、変異したままになってしまうのです。
また、人間や動物が同種の2つのウイルスに同時に感染した場合、
その2つが合体して新型ウイルスに変異することもあります。
新型ノロウイルスに対処するには?
免疫抗体を持たないノロウイルスに対してはワクチンもないので、予防するしかありません。流行の兆しがある場合は注意しておいた方がいいでしょう。
手洗い
トイレの後、調理前には手洗いをしっかり行いましょう。
指先や爪の間なども丁寧に洗いましょう。
加熱料理
あさりやしじみなどの二枚貝は汚染されている恐れがあるため、しっかりと加熱調理をしてから食べましょう。また、調理器具も加熱するなどして消毒した方がいいです。
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