風邪を引いたりして体調が悪いときは食欲がなくなるもの。
実はこれは自然で合理的な体の反応なんです。
病原体が体内に侵入したとき、最初に反応するのは白血球のマクロファージです。
マクロファージは細菌などを捕食して分解するほか、顆粒球やリンパ球を誘導して、
処理をスムースにするなど、免疫機能にとって重要な働きがあります。
そしてもうひとつ、マクロファージには栄養処理の役目もあるんです。
食事から摂った過剰な栄養素を脂肪として蓄えるように促したり、
血管壁に溜まったコレステロールを処理したりと、忙しく働いています。
この処理が滞って、コレステロールが血管壁に付着したままになると
動脈硬化の原因になってしまうのです。
食欲がないのは食べるなというシグナル
病気のときや体調の悪いときほど栄養補給しないといけない…と、
長い間考えられてきました。
しかし、今では無理やりに栄養補給するのは逆効果になるのではないか、
という考え方が主流になりつつあります。
というのも、ただでさえ病原体の処理などで忙しいマクロファージを、
さらに栄養処理でこき使うことになり、十分な免疫機能が発揮できなくなるからです。
そう考えると、病気や体調の悪くて食欲がないのは、回復させるための自然な反応で、
マクロファージが栄養処理から開放されるため、免疫機能が上がり、
回復が早くなるということになりますね。
また、普段から食べ過ぎていると、マクロファージを栄養処理でこき使うわけですから、免疫機能は慢性的に低いままになってしまうと考えられます。
風邪を引きやすい、体調を崩しやすいという方は食生活、
食事の量を見直してみてはいかがでしょうか。
コメントを残す