どんな病気を治すにしても、最終的に頼りになるのは自分自身の免疫力です。
手術や薬は、言ってしまえば時間稼ぎにすぎないんです。
しかし、そんな自己免疫力が通用しないのがエイズです。
エイズ(AIDS 後天性免疫不全症候群)はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に
感染して発症することはご存知だと思いますが、
その名の通り免疫力が徐々に低下していき、普通なら感染しないような
微弱な細菌やウイルスによって、様々な感染症を引き起こす病気です。
なぜ自己免疫で対処できないのか?
インフルエンザウイルスは鳥や豚など変異したウイルスがよく発見されますが、
これは不安定で変異しやすいRNAウイルスだからです。
インフルエンザは毎年変異して姿を変えるため、ワクチンを予防接種しても
新型インフルエンザには効果がありません。
HIVもRNAウイルスで、非常に変異率が高いために
免疫系もその変異に追いつかず、対処できません。
目まぐるしく変異するためワクチン開発も難しいのです。
免疫細胞に感染して免疫系を破壊する
HIVは免疫細胞(マクロファージ、樹状細胞、ヘルパーT細胞など)に感染するため、
キラーT細胞がこれらの細胞を攻撃して破壊してしまいます。
免疫力を保つ上でとても大切な細胞がどんどん減っていくため、
免疫力がどんどんと低下してくのです。
そして、免疫系の破壊が進むと、本来なら無害なはずのウイルスやバクテリアに
感染してしまい、そのまま放置すれば死に至ることになります。
ワクチン開発はまだですが、現在では治療も進歩しています。
HIVに感染してもエイズの発症を抑えることができるようになり、
適切に治療すれば、死に至る病気ではなくなっています。
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