40代半ば頃から起きやすい変形性膝関節症は、関節の軟骨が磨耗したり、
骨が変形するなどして炎症を起こし、痛みを生じさせます。
日本では非常に患者数の多い病気として知られています。
長年、膝関節のクッションとして働いてきた軟骨がすり減り、
骨同士の接触が徐々に増えて痛みを感じるようになるんです。
加齢と共に新陳代謝も衰えますから、やがては組織の再生も追いつかなくなり、
そのために、年々磨耗が激しくなってしまいます。
進行して骨同士が直接ぶつかるようになると、少し動かしただけでも
痛みを感じるようになってしまう厄介な病気です。
そして、同じく関節に痛みを生じさせる関節リウマチも患者数の多い病気です。
こちらは自己免疫システムの異常によって、リンパ球が自分の組織を
攻撃してしまうことで起こり、炎症による痛みや腫れ、こわばりが生じて、
やがては関節が変形してしまいます。
すり減った軟骨は再生しない
これら関節に痛みを伴う病気に効果があるといわれているのが
コンドロイチンとグルコサミンです。
コンドロイチンは動物性のムコ多糖類の一種で、ネバネバした成分です。
鮫や牛、豚などの軟骨に多く含まれています。そして、同じく軟骨に多く含まれているアミノ酸がグルコサミンです。
テレビCMや雑誌広告などで見たことがある人も多いと思いますが、医薬品、サプリメントともにこの2つの成分が含まれたものがたくさん発売されています。
中には軟骨組織が再生することをほのめかすような宣伝をしているものもありますが、
実は現在は経口摂取ではそのような効果はないという説が有力になっているんです。
というのも軟骨には血管がないため、
摂取したこれらの成分を物理的に届けられないからです。
また、どのような栄養素でも体内に入ると分解され、
そのとき必要としている成分に再合成され、必要としている体の部位に届けられます。
つまりコンドロイチンやグルコサミンを摂取しても、体内でそのまま再合成されて
膝関節の軟骨になる訳ではないんです。
よく、美容にいいという宣伝文句でコラーゲンドリンクが売られていますが、
こちらも同じで、飲んだからといって肌のコラーゲンは増えません。
現在、確認されているコンドロイチンとグルコサミンの効能は痛みの緩和だけです。
これは何も高価な鮫軟骨のサプリを買わなくても、一般的な鎮痛剤でも同じだということなんです。
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