年末年始は忘年会・新年会が重なるため、肝臓の休まる暇がない、
という人も多いと思いますが、注意したいのが急性アルコール中毒です。
毎年、成人式やお花見の季節に飲みすぎて、救急車で運ばれる人が出ますが、
急性アルコール中毒は、短時間でアルコールを大量に摂取することで起こります。
お酒は適量ならば、気分を高揚させる楽しいものですが、
血中アルコール濃度が上がっていくにつれて、危険が増していくのです。
およそ0.3%の血中アルコール濃度で意識を失い、0.4%で昏睡状態に陥り、
最悪の場合はそのまま死に至ることもあります。
おおよその目安ですが、1時間以内に缶ビール(500ml)×10本、
ウイスキーボトル(750ml)×1本、日本酒(1,800ml)×1升で、
急性アルコール中毒の危険があるといわれています。
ただし、体重によってもアルコールの限度量が異なるため、
これら以下の量でも中毒症状が出る場合もあります。
急性アルコール中毒の治療と予防
体内のアルコールを分解・解毒する薬はないため、重篤な症状が出た場合は、
輸液を投与して、体内のアルコールを排出させる強制利尿治療が行われています。
しかし、この治療に有効性はないとする意見もあり、
現在のところ、予防に注力する方が得策だと考えられています。
予防するには?
早いペースで飲まない
アルコールが効いてくるまで時間差があるため、
特に飲み始めは、ゆっくりと自分のペースで飲みましょう。
空腹時にいきなり飲まない
空腹で飲むとアルコールの吸収が早まるため、食事しながら、
または、おつまみを食べながら飲むように心がけましょう。
一気飲みはしない
急性アルコール中毒を増大させるため、絶対やめましょう。
また、他人に強要することもやめましょう。
急性アルコール中毒はお酒に弱い人がなりやすい、ということはなく、
血中アルコール濃度の高さによって、誰にでも起こりうる症状です。
しかし、お酒を少し飲んだだけで顔が赤くなる人は、2型アルデヒド脱水素酵素
(ALDH2)が低活性、または非活性タイプの可能性があります。
このタイプの人は、体内でのアルコール分解が遅いため、
急性アルコール中毒になりやすく、重症化しやすいといわれています。
日本人の約半数は、ALDH2の低活性、または非活性タイプといわれています。
つまり遺伝的にお酒が弱い、またはまったく飲めない人たちです。
お酒に弱い、飲めない自覚がある方は、他人にすすめられたからといって
無理せず、断る勇気を持つことも大切です。
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