のどには扁桃(へんとう)というリンパ組織があり、細菌やウイルス感染から
のどを守っていますが、この扁桃に異常が起こると感染症への抵抗力が低下します。
そのリスクを大幅にアップさせてしまうのが口呼吸。
口呼吸はダイレクトに細菌やウイルスをのどへ運んでしまうため、
感染症に罹りやすくなりますが、それだけでなく免疫力の低下も招きます。
リンパ組織とは体内に侵入した異物を排除するリンパ球と抗体を産生する器官なので、
このリンパ組織である扁桃が弱ることで、免疫力の低下や異常が起き、
アレルギーや自己免疫疾患の引き金にもなることもあるのです。
人間だけが口呼吸をする
口呼吸にはこのほかにも、虫歯や歯周病になりやすくなる、口臭が強くなる、
歯並びが悪くなる、いびきをかきやすくなるなどの弊害もあります。
また、口呼吸は交感神経を優位にするため、自律神経のバランスを乱し、
体に不調をもたらしてしまうことにもなりかねません。
これに対して鼻呼吸は、扁桃に負担を掛けることもないため免疫力の低下もなく、
鼻毛や粘膜によって細菌やウイルスの侵入も抑制できるのです。
もともと哺乳類の中で口呼吸するのは人間だけで、
ほかの動物は構造的に鼻呼吸できません。
(犬がハァハァするのは呼吸ではなく体温調節のため。)
つまり、正しい呼吸は鼻呼吸であり、口呼吸は人間だけが言葉を話しやすいように
骨格が変化した弊害といえるものなのです。
感染症やアレルギー性疾患予防のため、普段から鼻呼吸を心がけたいものですが、
特に口呼吸のくせがついている人は、意識して鼻呼吸に変えましょう。
また、いびきをかく人は睡眠中に口呼吸になっていることもよくありますので、
起きているときに鼻呼吸ができていても油断は禁物です。
口呼吸の原因は、鼻づまりや口の周囲の筋肉が衰えていたりと様々ですが、
点鼻薬や鼻腔拡張テープを使うなどして、とにかく普段から鼻呼吸を意識することが大切です。
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